今年で3年目となるトレッキング撮影ツアーは西海岸に近いカリフォルニア州を縦断するシアラ・ネバダ Sierra Nevada 山系を訪れました。参加者5名と共にセコイヤ・キングスキャニオン国立公園、そしてヨセミテ国立公園のトレール(山道)を歩きながら自然とのつながりを楽しむことができました。サンフランシスコからフレスノに移動し、フレスノを基点にして3泊、マリポサを基点にして4泊という日程で、最終日はサウスサンフランシスコの海岸沿いの宿で宿泊というものでした。キャンプ主体ではありませんが、早朝からの移動で毎日フルに歩き、有名なジョン・ミューア John Muir トレールも一部歩くことができました。
氷河による侵食が作り出した渓谷美、そこに流れ落ちる滝たち、自然保護運動があって絶滅を防ぐことができた巨大なセコイヤ、レッドウッドの森は自然の偉大さを見せ付けるだけではなく、我々が守らなければいけない現実というものをも再認識させてくれました。セコイヤの最大のものはシャーマン将軍と名づけられ見上げると首が痛くなるような高さです。幹の直径が11Mということで、大型バスがすっぽり入ってしまうというもの。この巨木が見つけられた頃は、保護の精神が芽生えておらず興味半分に切り倒しては飾りにしていた人もいると聞きます。米国内の内務省管轄、国立公園管理局によって管理されている中では、世界的に有名なヨセミテ国立公園のすぐ南にありながら訪問客が比較的少ないのが印象的でした。6月の訪問ということもあり、後者、ヨセミテ公園のヨセミテ渓谷は遊園地状態で、実際の自然保護という点において大きな疑問を感じましたが、数時間も歩くことを強いるトレールに入るとすれ違うトレッカーたちの笑顔が素敵で、自然を本当に愛する人たちが足を踏み入れる場所が守られているという感覚がありました。
9日間のトレッキング撮影ツアーの中から何点かの作品を以下に紹介致します。ご覧ください。
サンプル画像 撮影機材: Nikon D3s
■ キングスキャニオン国立公園 - Kings Canyon National Park
Sierra Nevada この岩山たちが山系を創り上げている
西海岸内陸部を縦断する険しい連なり
そこに生きる動植物たちと風化で常に姿を変える自然の共存がある
夏の日差しを受けて
森の若葉たちが輝く
地上を走る影に躍動感が溢れ
渓谷そのものに命の鼓動が響く
新しい命が天に向かって成長する
山のサイクルの中で生きる植物が
動物たちの命の梯子を与えている
森の浄化が繰り返される
古木は新しい世代に流れを譲っていく
■ セコイア国立公園 - Sequoia National Park
巨木の森
数千年前に目覚めた種が天に伸びる大木
気づきと保護がなければ好奇心と欲で切り倒されていただろう
本当の自然保護とは、人を入れないことなのかもしれない
■ ヨセミテ国立公園 - Yosemite National Park
自然保護のポリシーというものが公園にはあり
朽ちたものはそのまま土に戻す
人の便宜で手を加えることはあっても
新たなる命がチャンスを賭けて天に延びる
(2012年6月)
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