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 写真作家 撮影裏話 − コヨーテの遠吠え


撮影地では様々な動物と遭遇することがありますが、中でも印象的なものがコヨーテです。キツネと似ているという人もいますが、尻尾が違うのと顔つきが違うので大体人目で分かります。私の住むコロラド州デンバー首都圏エリアにも生息しており夜遅く帰宅する時に家の前を横切ったりする姿をみかけることがあります。砂漠の撮影地には砂だけの砂丘群とその生態系で言うと下に当たるエリアの草地、そしてそれを東から囲むような山岳部の麓の森があります。コヨーテはそこに生息する動物の一つで、この生態系の中で重要な役割を果たしており、またその点で意味があって存在しています。

 撮影のクライマックスは夕暮れ時になる場合が多いので、撮影ポイントを定めた後はシャッターチャンスを待ちます。太陽が傾いて光が柔らかく流れるように注がれる時間になると周りの空気が変わります。日没のほんの少し前というのは撮影させてもらうにはベストな時間で、無心でファインダーを覗いています。そんな時に必ずといっていいほど聞こえてくるのがコヨーテの遠吠えです。一頭がどこからともなく声を放つと、それに応えるように数頭の遠吠えが聞こえます。澄み切った空気のあるこの地では声がよく飛びます。英語で Sound travels far more than you think. などと言われるほど、かなり離れたところの声が身近に聞こえるのにはいつも驚かされます。

サンドシートと呼ばれる砂漠の草原地帯で撮影をしている時に日没を迎えました。周りの空気の変化を身体全体で感じながら撮影をさえてもらっている時に、いつものようにコヨーテが遠吠えを始めたのですが、かなり近いところでその声がしたように思えました。それは前述のように声が遠くまで聞こえるという事実をわきまえてのことなのですが、その最初の遠吠えが終わったか終わらないうちにあたり一面から、ひょっとすると数十頭のコヨーテたちが騒ぎ始めたのです。その数と声に驚いたのは私の方で、これは撮影どころではないのでは、などと一瞬考えてしまうほどでした。コヨーテが人を襲うとは聞いた事はありませんが、彼らのテリトリーに入らせてもらっている自分としては、控えて動かなければならないという気持ちがあります。身勝手に良く解釈すれば、彼らが自分を受け入れていたのかもしれません。その騒がしい遠吠えの中にいた私は撮影をするというより、今まで通いなれているはずのその世界に、また違った次元があることを思い知らされました。

 (在米写真作家 小池清通の撮影活動を通して経験した秘話・裏話を紹介)

 

 
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写真作家 小池清通 コロラド事務所
「自然とつながる時」
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