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 写真作家 撮影裏話 − バイソンの親分


バイソン(BISON)は俗名バッファローと呼ばれています。頭部が巨大でアメリカ西部の野生をそのまま代表するシンボル的な存在感のある動物です。歴史的にはグレイト・プレインと呼ばれるアメリカ中西部の大平原に数十万頭生息していたと言われ、季節に合わせて南北を行き来していましたが、人間が入り込み農場や牧場開発をすることによってこの「渡り」ができなくなりました。同時に捕獲がハンティングというゲーム的なものに変わり乱獲による絶滅状態が訪れました。現在は「保護」という名目のもとで限られた地域で放牧のほぼ野生の状態で生息を管理されています。一部では食肉用として飼育されていますが、私の訪れるメダノ・ザパタ・ランチ(Medano-Zapata Ranch)は自然環境を保護するために一般の立ち入りを制限した地域に放牧されている約900頭のバイソンが半野生的に生活しているサバク地帯です。砂漠撮影のホームグランドであるグレイト・サンド・デューンズ国立公園の西側に位置するこの牧場は、広大な生態系の中の一つの表情を鮮やかに魅せてくれます。

 バイソンの巨大な親分に出会ったのは、この牧場を訪れたある日のことです。900頭いると言っても群れに分かれているのでそれら全てを一度に見ることはありませんが、100頭前後の群れに遭遇することがあります。ちょうど進入許可を頂いていた道路を車で移動中に、そんな群れが目前にはだかっていました。実際には彼らの生息地に私が入り込んだという言い方が適切かもしれません。外に出る訳にもいかず、砂煙を上げる彼らを眺めながら窓を開けて撮影をさせてもらいました。ところが少しすると周りのバイソンたちの様子に変化が見られ、何があったのかと後をみてみると、彼らよりも一回り位大きなオスが近づいてきていました。人目で親分だと分かる風格と威厳があり、また恐怖を感じるほどの気迫さえ感じられました。

一定の距離を置いてこちらをしばらくみていましたが、彼が与えてその「距離」を縮める意志が私にないことを確かめると遠ざかっていきました。車の中にいたからよかったのですが、野生または野生に近い動物は本当的に異種の動物を見つけると身に危険を感じて「距離」をとりながら安全を確かめようとします。この「距離」の約束を破って近づきすぎると、防衛本能を刺激して向かってこられる可能性があるわけです。そんなことをしたら車でさえ安全とは限らない巨漢のパワーを知ることになるのですが、この自然の取り決めをしっかりと守っていればお互いに共存が許されるようになっています。このバイソンの親分は、そんなことを再認識してくれました。

 (在米写真作家 小池清通の撮影活動を通して経験した秘話・裏話を紹介)

 

 
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写真作家 小池清通 コロラド事務所
「自然とつながる時」
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