砂漠 【小池キヨミチ】

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 写真作家 撮影裏話 − 一粒の砂


私の愛用しているカメラは PENTAX LX というマニュアルカメラです。基本的には最低限のものしかついていないカメラで、電池が切れたり極度の低温で作動しなくなってもあるスピード以上のシャッターでの撮影が可能なものです。この機種は私にとっては軽くて小柄なのでとても使いやすく何よりも密封性に優れているので、砂漠などのような環境下での埃や砂が入り込む可能性を最小限に防いでくれる心強い相棒です。ところがフィルム一本で撮影できるのは36ショット(時には38枚ほど撮れることもありますが)と枚数的な限界があります。その限界を明確に現実的に理解して撮影をする方が私は気が張るので、与えられる「場面」を被写体から感じる際に五感までも全開となり、時には六感まで開いてしまって大変なこともありますが、いい出会いを写真に納めさせて頂いています。

砂漠では夕暮れ前に風が強く吹くことがよくありますが、日中でも強風が砂を巻き上げて飛ばすことが珍しくはありません。砂漠に通い始めた頃のことですが、フィルム交換をする際に一粒の砂が入ってしまったことがありました。その時には全く気がつかなかったのですが、目を凝らして視ないと分からないようなちいさな粒が、現像から上がってきたポジ全てに一本のラインとなって、その存在感を残してくれました。どれだけ気をつけても撮影地でフィルム交換する時には必ず与えられるリスク。それでも、それは自然が常に営む行事のようなものであり、その地に足を踏み入れて撮影をさせてもらうものにとっては「リスク」ではなく「存在」するものとして気をつけてはいても、入ってしまった時は仕方のないものだと理解しないといけないと思っています。ひょっとすると砂漠の精霊たちが騒いでいるのかもしれません。

砂漠に砂はつきものですが、その存在感を思い知らされた日の話でした。幸いにもこの「教え」を頂いたのはその一日だけで、100回を越える撮影旅行の中で、他の日は私が砂を被るだけですんでいます。

 (在米写真作家 小池清通の撮影活動を通して経験した秘話・裏話を紹介)

 

 
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写真作家 小池清通 コロラド事務所
「自然とつながる時」
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