ボルダー ロハス 【小池清通】

コロラド 写真家 エッセイ【小池 清通】
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 LOHAS ロハス ローハス (Lifestyle Of Health And Sustainabilityの頭文字)

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 文明が著しく発達し人類の生活様式が変化すると共に交通手段の発達のお陰で地球が狭くなってきた感覚がある21世紀初頭の現在、レトロ現象とも言える自然回帰的な動きがでてきている。その一つとしてロハス(またはローハス)というコロラド州ボールダー(ボルダー)をメッカとする環境保護思想、自然保護精神、健康志向、有機食材思考などに代表される人気が広がっている。日本でも非営利団体ローハスクラブはじめ、営利団体のロハスブームに目をつけたビジネスの動きも活発になってきている。

 ボールダー(Boulder)は1800年代半ばに始まるコロラドのゴールドラッシュを一つのイベントとして、ロッキー山脈にある山岳部を掘り出して金脈や銀脈を当てようという一攫千金を狙った山師たちが集まった時代に出来た町である。当初は山岳部の鉱山地域への食料や資材を調達する麓にあたる位置にあった中継都市であったが近年になって60〜70年代のヒッピー経験者を含む、スピリチャルナ(精神世界を信じる)人たちなどをも呼び寄せる町に発展してきた。コロラド大学(CU Boulder Capmus)という大きな大学施設があるが、アメリカでは珍しい仏教大学、ナロッパ大学も存在する。中心部にはチベット仏教のお寺があったり、パールストリート(約4ブロックに伸びる歩行者天国と脇に並ぶ商店街)にみられる霊気、精霊、降霊、超能力、占い、パワーストーンなどを扱っている場所や人もみられる。

命を活かす太陽 市としては全米で最も早く税金による予算を自然保護に使った都市として知られ、周辺の土地を買い占めては最小限の手を加えるにとどめて保護し市民に開放している。また、建築許可を極度に制限することによって、人口調整をし、土地の無駄な開発による自然破壊を防ごうとしていることから不動産は周辺の他市よりも割高になっているが、町そのものは自然志向ムードでとても気持ちよく、経済的に移り住むことができる人たちは一つの選択としてボールダーを含めている。

 日本からもロハス(ローハス)関係の視察や研修のために訪れる人が少なくないが、真に健康や社会貢献を考えている人よりもロハスビジネスにあやかろうとしている人や団体が多くみられている。何事もビジネスの波があった方が一般的な知識としての普及が早く、その点では貢献になるのであろう。が、多くの場合真の実践者に対するリスペクトは比較的低い。大変ボランティア精神の旺盛な素晴らしい人が多い地域で、首都デンバーを含めたメトロポリタン(メトロ・デンバー) 地域にはボランティアに喜びを感じる人が多いが、日本からのロハス関係ツアーも非営利団体がビジネスと繋がって集客をして乗せている節がみられることがでてきた。当地の善意あるボランティアを利用し始めているところもあるのが残念である。

 真の環境保護や健康管理というものは、正直で健全なものでなければならないと思う。ボランティアは何を求めるかというと、達成感や人のためになったという充実感である。感謝の気持ちの分かる人たちが、このロハス精神を正しい方向に導くようになることが望ましい。

 オーガニック食品が人気を呼び、ボールダーから始まったアルファルファ自然食ストアー(後ワイルドオーツに吸収合併)やワイルドオーツマーケット(2007年ホールフーズマーケットに吸収合併)などが有機ブームを広げている。一般的なストアーチェーンであるセーフウエー、キングスーパーズ、アルバートソンズなどでもオーガニックセクションを設営し、自社ブランドでも有機食材を積極的に開発販売している。

 コロラド州としてはバイオフューエル(バイオガソリン)の人気が爆発し、都心郊外に広がっている肉牛などの飼育用に栽培されていたトウモロコシは燃料用にプロセスされエタノールとして燃料としての出荷をされている。また違った産業が発達する流れがでているが、果たしてこの動きは車社会に対する戒めを性格に理解した回避策になるのであろうか。単にブッシュ政権が侵略行為を続けている中東から入る化石燃料(石油)への依存を軽減することが愛国心と思われてでてきた動きなのかは定かではない。車という点でいうならば、ハイブリッドに乗っていれば貢献していると思っている人と共通な問題を抱える可能性があるが、燃費のいい車に乗ることと、乗る頻度や距離を減らすこととはアプローチの仕方、そしてそれに対する心理の位置が多少異なってくる。大きいものばかりの中に入れば自分が小さく見えるし、小さなものばかりの中に入れば自分は大きく見える、という心理的なものを考えてみると分かると思う。

 世界を救うことはできなくても一人の人間ができることはあるし、一人一人の認識の持ち方で、最終的には地球に本当に優しい人間の存在が確立されると信じています。ロハスということを考える時に、私はこういうことを考える。

 @まず、その名称(ロハス・ローハス)はどうでもいいと思う。大切なのは自分の本当の人生観であり生活観、世界観である。

 A最初に自分の健康を再認識し管理すること。最も身近なエコシステム(生態系)は自分自身の身体、健康である。新陳代謝をよくすれば身体はいらないものは排出し、必要なものは求め作り出す。現代人は時間に追われて噛むことを忘れつつある。よく噛めば唾液が食物に混ざるし細かくなって胃に負担がかからず、栄養はしっかり吸収される。噛むことで脳が活性化され、新陳代謝を刺激する。

 B簡単なことからやればいい。ゴミを一つ拾う、または出さないように気を配るだけでもいい。その積み重ねが大きな意味をもってくる。

 C有機野菜などが出回ったら出来るだけ買うようにする。そうすれば有機農家は生計を立てられ更に生産量を増やしたり、農家数が増えることによって値段が下がってくるはずである。

 D知り合いに話すこと。もともと我々の先祖がやっていた当たり前の食生活を見直すには、コミュニケーションの輪を広げることだと思う。

 自分が健康であることは社会貢献の基礎である。物質社会アメリカの大きな問題(これは日本も残念ながら追従している)は医学に頼りすぎていることかもしれない。病気になっても薬を飲めばいいと思っている。健康保険があれば安全だと思っている。アメリカのテレビの宣伝をみていると鎮痛剤、眠り薬、勃起不能症用薬、コルステロール低下剤、降圧剤、小型携帯用糖尿病の血液検査機などの販促がかなり多い。特に痛み止め薬の宣伝はすごい。痛みや病気に対するアプローチの違いを感じるのは、胸焼けをした時の胃薬の宣伝で薬を飲んでバーベキューを楽しむ人がよくでることである。胃の調子が悪い時は、刺激物を食べずに胃を休めることが先人の知恵であったが、薬文明が進んでしまうと主観が見つめる対象物までが変わってしまっている。

 健康、環境、そして精神衛生を考えることは、今後の物質におぼれた先進国の人たちには必須になると思う。そういう流れの一つがロハス(ローハス)だとしたら、主流になるにも支流になって主流に交わるにしても、撮り違いがないように一人一人が冷静に見つめ実行することが望まれるだろう。

 在米日本人写真家: 小池清通 - アメリカ合衆国コロラド州をベースに写真作家活動
                砂漠写真、砂丘写真を主体に大自然とのまじわり、つながりを写真を通して紹介

 

 
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写真作家 小池清通 コロラド事務所
「自然とつながる時」
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