アメリカ 写真家 【小池清通】

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 毒だし

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 エコシステムや自然のバランスの話をしているが、そのプロセスとして毒だしに似た、不必要なものを捨てるプロセスと思えることが行われる。人体で言う新陳代謝のようなものである。外部に出すという毒だしと違うのは、ある一定地域から出された不必要物がかならず下流で毒にならないということである。そして、下に流れるということは下に回すという意味をも含んでいるから、また何かの役に立つ。魚を獲って生活する漁民は、豊作を祈るには山に木を植えて豊かにせよという言い伝えがある。海に流れる川の水は山から下ってくるから、上流の山が豊かでなければ水が富まず、魚たちが好むプランクトンが成長できる栄養ある水にはならない。

 全ての流れ(プロセス、段階、レベル)の中で、残るもの、流されるものに意味があるのである。私の郷里浜松(静岡県)には、中田島砂丘という日本三大砂丘の一つとされる砂浜がある。学生時代にはクラブの強化トレーニングで砂山を登ったり下りたりして足腰を鍛えたことがある。もう30年も前の話である。そんな思い出の大砂丘に数年前に立ち寄って見た時に腰を抜かしてしまった。なぜならば砂丘がないのである。入り口の松林を抜けるといくつか越えて遠州灘を望んだ砂丘がなく、ただの砂浜しか目前にはなかったのである。

 浸食。海が砂浜を浸食し砂丘地帯の幅を狭めていたのである。原因は近くを流れる一級河川である天竜川にあるらしい。その上流に何年か前に作られたダムが海に流れる水量を調整してしまったために河口に流れる水量が減り、海流の方が優勢となり陸地に噛み付き始めているらしいのである。上流から流れ出る水の恵みは海に住む動植物だけのためにあるのではなく、その地形そのもののバランスをとる大切な存在だったのである。これは、雨量や天候の変化による雨量減少の影響もあるかもしれないから、この一地域のエコシステムだけの問題ではないかもしれないが、毒だしが潤滑にできなくなると毒の効力が有効に使われなくなる。コルステロールが血管を詰めて脳卒中を引き起こしたり動脈硬化で心臓疾患を引き起こす人体における弊害と似ている。

 全体のバランスがとれるように動く自然のプロセスを妨害するようなことを人間はしてはならない。

 在米日本人写真家: 小池清通 - アメリカ合衆国コロラド州をベースに写真作家活動
                砂漠写真、砂丘写真を主体に大自然とのまじわり、つながりを写真を通して紹介

 

 
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写真作家 小池清通 コロラド事務所
「自然とつながる時」
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